第7話

倉庫から出ると、さっきまで降っていた雨はすっかり止んでいた。


雨が降ったにも関わらず、茜色の空は濁っているように見えた。



「…あ、壮太って家どこだっけ」


「…颯の家の、近く」


「…実家の方?」



壮太は力無く首を縦に振った。


その視線はずっと下を向いていて、私を捕らえることはない。


…颯はこんな状態の壮太と私を2人きりにして何がしたかったんだろう。



「…なあ、琴乃」



そう思っていた矢先、壮太の急な呼びかけに思わずビクッと肩を揺らしてしまった。

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