第4話

それもそのはず。


だって彼らは滅多に教室に顔を出さないんだから。



「注目されないのは当たり前。琴乃は五十嵐じゃなく、旧姓の相良で通ってるからな」


「へえー。じゃあ見たことないのはどうしてー?」


「歩稀たちとはクラスが違うんだよ。それに、あなたたちが教室に来るときは颯から事前に連絡もらって、その日は学校に行かなかったりしたの」



悠がゲッと少し顔を顰めた。



「うーっわ、そこまでしてたのかよ。どおりで全然会わなかったわけだ」


「用意周到だねー。さすがにそこまでしてたとは思ってなかったよー」



視線を感じてその方向を見ると、すみっこで座り込んだままの壮太と目が合った。

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