第30話

…目が点になるってこういうのを言うのかな。



「あー、ごめんな?俺てっきり達馬さんに聞いてるもんだと思ってたからさ」


「なんで俺が教えなきゃなんねぇの?つか自己紹介くらい自分でしろよ」



達馬さんの面倒くさそうな一言で、みんなで自己紹介をすることになった。


こういう時、最初に口を開くのはいつも焦げ茶色。



「俺は瀬田翔吾な。翔吾でいいから」



ほらね。



「お、俺は壮太。…朝比奈壮太。歳は翔吾と一緒」



若干緊張しながら焦げ茶…もとい翔吾に続いたのはミルクティー色。


やっぱりいつ見ても中性的で可愛い顔だなあ。



「神崎陸登。俺も高2。…ちゃんと言ったからな。今度“あんなの”とか言いやがったらまじで殺んぞ」



まだ言ってるし。…ほんとにめんどくさいな。


順番的に次は金髪。そう思って金髪の方を見る。


ゆっくりと、金髪の真っ直ぐな視線が私の視線とぶつかった。

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