キャラクターが振り返る 鵺一部六章

 はるか   いやー、大変だったねえ

 

 鈴心すずね  大変でしたね……

 

 蕾生らいお  ……

 

 永   ちょっと、ライくん! ここは「一番大変だったのは俺」ってつっこむ所だよ!

 

 蕾生  だって、俺、あんまり覚えてねえもん

 

 永   そうなの?

 

 蕾生  うーん、黒い鵺になった時は全然。覚えてるのは永に「こっちへおいで」って言われたあたりからかな

 

 永   えーそうなんだー。じゃあ僕が「薙ぎ払え!」って言ったのも覚えてないんだね

 

 蕾生  知らねえ

 

 鈴心  ハル様、ご冗談を

 

 永   うへへへ

 

 蕾生  チッ

 

 永   まあまあ、ライくん! 鵺化して元に戻るなんて900年でも初めてなんだよ! ふざけないとやってられないよぉ

 

 鈴心  それはその通りです

 

 永   それで、僕、疑問なんだけど。ライくんが着てた服ってどうなったの? 鵺化した時はどこへ消えたの? 戻る時に全裸じゃなかったのはなんで?

 

 鈴心  む、難しい問題です……

 

 永   しょうもないことが気になっちゃう、僕の悪いクセ☆(テヘペロ)

 

 蕾生  それはアレだろ。少年漫画でどんなに激しく戦ってもズボンが絶対破れないヤツと同じだろ

 

 永   ああ、上半身はボロボロ破れるのにねえ(ニヤニヤ)

 

 鈴心  (すんごい嫌な顔)

 

 永   せっかく感動的に人に戻れたのに、全裸じゃね。ライくんのライくんがご開帳だもんねえ(ケラケラ)

 

 鈴心  (ものすんごい嫌な顔)

 

 蕾生  ふざけすぎじゃねえか?

 

 永   ふざけたくもなるよぉ! クソジジイが臆面もなく泣き叫んで、串刺しにされたんだよ!?

 

 蕾生  まあ、それは……

 

 鈴心  衝撃映像でした……

 

 永   まったくさあ、情けなく泣き喚いてさあ、今までの余裕と威厳が台無し! それはそれでいい気味だけど、後味が最悪!!

 

 蕾生  確かに、爺さんの串刺し姿なんて見るもんじゃねえな

 

 鈴心  哀れです……

 

 永   リン! 同情は無用だよ! 「ざまあ」って笑ってやれ!

 

 蕾生  あれを見てもブレないお前はすげえよ

 

 永   ありがとう!(キラッ)


 蕾生  でよ、結局、俺が金色になったのは何でなんだ?


 鈴心  わかりません


 蕾生  おいおい……


 永   僕らも初めての経験だからねえ。ただ、あの時、ジジイがコレクションしてた過去の鵺の遺骸が作用したのかな?


 鈴心  あれは、かつてのライですからね。あれらのエネルギーを今のライが取り込んだのでしょうか?


 永   単純計算して鵺3体分のエネルギーをライくんは持ったってことだとすると、それだけの力があれば金色くらいになるかもね(笑)


 蕾生  笑ってんじゃねえ


 永   いや、我ながら無茶苦茶なこと言ってるなあって思って!


 鈴心  かつての鵺と遭遇したのも初めてだったかもしれませんね


 永   クソジジイがご丁寧に保存したおかげ、と言えなくもないかなあ。悔しいけど


 鈴心  遺骸の中にあった遺物も回収できましたしね


 蕾生  なんだよ、それ?


 永   それについてはエピローグで☆ なんちゃって!


 鈴心  (↑無視)今回の転生は随分イレギュラーなことが起きます


 永   (やべ、無視された)……それだけ、僕らの運命がこじれているのかも。33回、900年も繰り返せば、そりゃあねって感じかな


 鈴心  私達を呪った鵺も、ここまで想定していたのでしょうか……


 永   さあねえ。なにしろノーヒントだからねえ。あー、ムカつく!


 蕾生  まあ、俺達は今を精一杯やるだけだな


 永   確かに。呪いは解けると信じて頑張るしかないね


 鈴心  ……そうですね

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