第17話
芹とは会場で会うから、とりあえずそこに向かえばいっか。
時間もいい頃になり、私は立ち上がって、さっさと歩いた。
キリキリと痛むお腹に、私は溜め息を吐く。
直前までどう休んでやろうか意味の無い思案をして、私は長い廊下を歩くと、大きな扉が現れた。
扉が開いて、煌びやかで華やかな、漫画のような世界が目に飛び込んでくる。
騒がしいはずなのに、皆優雅で、お淑やかに話すからか、そんなに耳障りじゃない。
オーケストラが響き、私はシャンパンを片手に、父に貰ったリストの中にある人物に、片っ端から話をしに行った。
会社名、役職、名前、生年月日、趣味嗜好に至るまで全て記憶してる。
ここからどう気に入って貰えるか。
シャンパンの細かな泡が上へ上へと上がるのに、私は逆方向へと気分が下がる。
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