元S級ダンジョン探索者ですが、金が尽きたのでF級からやり直します。

さい

第1話 S級ダンジョン探索者、新庄レン

 ダンジョン探索者とは、ダンジョンの奥深くに潜り未知の世界を探求し、危険なクエストに挑む職業のことを指す。

 彼らは自由を愛し、日常から離れた非日常を求めて旅をする者たちだ。

 ダンジョン探索者の生活は、いつも変化に富んでいる。

 広大な山脈、深い森、神秘的な遺跡、あらゆる場所が彼らの舞台となる。

 この職業の魅力は、ただ単に戦うことや財宝を手に入れることではない。

 仲間との絆を深め、様々な人々と出会い、冒険を通じて自身を成長させていく過程にこそ、真のロマンがある。 

 時には、身を潜めて危険を避けることもあれば、時には敵と真っ向から対峙する勇気も必要だ。

 ダンジョン探索者は、過去の歴史や伝説を解き明かし、新たな物語を創り出す者でもある。

 彼らの行動が新たな伝説となり、次の世代に語り継がれることを知っている。

 だからこそ、ダンジョン探索者たちは、夢や希望を胸に秘めて、明日も新たな冒険に向かって歩き出すのだ。

 彼らの物語は、常に新しい可能性と驚きに満ちている。

 つまり、ロマンに満ち溢れている職業だ。



 六年前──

 鼻に横傷のある少年、新庄レン、十六歳。

 世界最年少でS級ダンジョン探索者に到着。

 しかし、一年後、世界最高難易度ダンジョンを攻略後、引退宣言。

 彼はダンジョン探索者という業界から姿を消すのであった。

 今となっては彼の姿を知る者はいない。

 一体、彼はどこで何をしているのだろうのか。





 残り五百円でラストの貸玉ボタンを押した。

 ラスト一球がヘソに入るが先バレなし。


 終わった。


 七万円先バレなし、1052ハマり。


 何が199だ。

 これなら319を素直に打てばよかった。


 と、その時、隣から爆音が響いた。


「ラッキートリガー来たぜえええ」

「音上げろ、爆音だあああ」


 乗り打ちをしている二人の大学生。


 俺はそいつの液晶にグーパンを入れ、パチンコ台をぶっ壊した。


「ぎゃあああ、俺の、俺のラッキートリガーぁ」


 はあ、とため息を吐きながら外に出た。


 金が尽きた。

 あんなにあったのに。

 調子に乗って毎日散財していたらこれだ。


「ははは、お先真っ暗だよまったくさー」


 こんなことなら素直にダンジョン探索者を続けておけばよかった。


 ここだけの話、その昔。

 六年前、俺は天才ダンジョン探索者として活躍をしていた。

 最終的には世界最高難易度ダンジョンである『アルプスダンジョン』を攻略したのだ。


「これからどうすっか」


 なんで199が1000もハマるんだよ。

 本当、遠隔だろ。

 周りはみんな軽く当ててるのによ。

 それに先バレの確率は90分の1じゃねーのかよ。


「もうやらない、パチンコなんてもう……」


 つーか金がねえ。

 かといって、俺には学力もねえしなあ。

 どうやって稼いでいけばいいんだか。


「ん?」


 ふと、コンビニの前を通りかかると一枚のポスターに目が止まった。


『ダンジョン探索者試験受付中』


 ああ、もうそんな時期か。

 てまてよ。


 ん、そうか、そうじゃねえか。


 金がない。

 かと言って働くあてもない。

 俺にはダンジョン探索者があるじゃねえか!!


 五年のスパンがあくとまたダンジョン探索者試験を受けてF級からやり直すことになるが、俺にはこれしかないわけだし。


 うん、そうだな。

 やってやる。


 んで、金稼いでラッキートリガー入れるまでパチンコ打ってやる!!

 コンプリート機能を発動させてやるぞ。


「うおおお、そうなればすぐさま応募だ!!」


 こうして、俺はダンジョン探索者試験を受けるためにポスターに乗っていたQRコードをスマホでスキャンし、応募することにした。

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元S級ダンジョン探索者ですが、金が尽きたのでF級からやり直します。 さい @Sai31

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