ギルドメンバーの異常な愛情

修羅

第1話 我がマスター

青野 満寿夫 


平凡な名前だ、名前からして子供の頃からマスオさんとからかわれた事もある


平凡な学生生活をして就活


どういう訳だか全国展開しているそこそこの会社に就職出来た

だが、お世辞にも自分は平凡すぎた


同期は次々と頭角を現していく


僕はもっぱら資料整理など雑務にあてがわれていた


このまま、ここで一生を過ごすのかと思うと鬱になる


自分はライトノベル、特に異世界転生物が好きだった


ああ、自分も異世界転生出来ればなんていい年で妄想していると


「マスオ先輩、手伝いましょうか?」


「ありがとう、でもこれは今日までに僕が仕上げないと」


声をかけてくれたのは1年後輩の紅 直子

紅という名字は変わっているが、入社した時から何故か僕に懐いている

コケティッシュな感じがするハキハキとした女性だ


ふと思う


『彼女みたいな嫁、おっと助手がいればなあ、、、』


そう妄想していると彼女が尋ねる


「どうしました?マスオさん?」

「いや、ごめん、ちょっと疲れているみたいだ、洗面所に行って顔を洗ってくる」


僕は事務所から出てトイレに行った


鏡に写っている自分を見て情けなく思う

20代なのに40代にしか見えない風貌

『疲れているんだな、、、こういう人生が続くのか』


「おつかれですね、青野さん」


ドキッとした


声を賭けてきたのは同期の羽賀という男性

イケメン、出世頭、彼女もいる

自分とは非対称だ


「すまない、疲れているのは事実だ、同期の中で声を賭けてくれるの羽賀さんだけだよ」

「さん付けって照れくさいじゃないですか?」

「でも、君は栄転が決まってるんだろ?」

「そうです、アメリカの支店に決まりました」

「うらやましいな、、、」

「そうでもないです、アメリカに行く前にやる事も多いですし」

「確かに大変だよね?」

「ええ、まず、あなたを殺さないと、、、」

「えっ?」


そういうや羽賀は突然、剣を持ち出した

「すまないな、あんたを殺さないと行けないんだ」


「!?!?!?!?」


どういう事だ、ここは普通の会社だろ?

なんで、一社員が剣を持っているの?

って、なんか羽賀さん、なんかオーラ出ているし殺気もビンビンだし!!


「あんたを殺る機会がこんなに早く来るとは俺もついている、幸い、目覚めてないようだしな?」


目覚める?なんだそれ、と考えている間に羽賀の剣が俺に向かってきた


ああ、なんか良くわからないけど死ぬのか?


と思っていたら、一人の女が羽賀の剣を受け止めていた


えっ、なんで、紅さん?


「マスター!、大丈夫ですか?コイツは12刺客の一人、牙のハウガーです!!」


「えええええええ?」

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