邪ッ斬!─鬼沙羅祇百鬼異門伝─【異世界都市伝説バトルファンタジー】
RxR
プロローグ
思えば子どもの頃からココではない何処かに憧れていた。
アニメを観ては、剣と魔法、ファンタジー、異世界召喚転生な世界に入りこみ、ゲームをしては壮大なワクワクあふれる世界観ハマりこみ、何時間も没頭した。自分がもしも、その世界に行ったら………なんて、妄想に朝から晩まで耽ってたっけ────………。
:
:
:
────……いったい自分は、なにをしていたんだったか。
フリーズしている思考回路を無理矢理動かし思考した。目の前に無遠慮に現れている『現実』を見据えた。
眼鏡が鼻の頭までずれていて視界がボヤける。
空気中にワヤワヤと舞う、砂埃やらなにやらかんやらわからない塵だか煙だかで、薄ぼんやりとしか見えない。
足元に倒れ込んでいる、《バケモノ》から噴出する赤い瘴気だか血液だかで、薄ぼんやりとしか見えない。
………いや、それだけじゃない。
たぶんだいぶ、狼狽しているせいもある。大量の冷や汗が出ている。
身震いすらできない叫ぶ事もできない恐怖と驚愕に身を凍らせて、眼鏡がズレたままの少年は、じっ……と動けずに尻餅をついていた。
───そうだ。おそらくココは電車の中だ。僕は、家に帰るために、電車に乗っていたんだ。
見えている状況からすぐさま察して、理解した。
電車だった…であろう、異常に眩い赤い空から怪しげな光が差し込む吹き抜けになった天上や、ベコベコに割れた床、ガシャガシャに砕けた壁、瓦礫の上にばら撒かれている吊り革、僅かに残っている椅子たちを見て、理解した。
「───…おいおい。なんで『
「君、誰なん!?なんでココに居るん!!?」
「可哀想に…。迷い込んだんだねぇ……」
声だ。
ああそうなんだ声か。人がいる。目の前に立っている。
『青色』と『黄色』と『紫色』が見える。ああ、服の色か。3人の人が、目の前に居る。
───…え?青いヒトがやけに青いな。
青い。頭も青いしなんなら燃えているように見えるんだが。青い。青い………。
「おい。オマエ」
もうひとり居た。
有無を言わせない、取り付く暇もないであろう事が、こんな状態の脳でも一瞬でわかった。
気怠くもピシャリとした声音に、『オマエ』と呼ばれた。
どこに居る?見えない。
《ガラガラ》と音がした。
壊れた電車の瓦礫を退かしているのか。砂埃だか瘴気だかが舞いつづける。崩壊した壁の外から、人がやって来た。
目の前に居る3人の間……紫色と緑色の間に立った。
…………人。
ヒトかあ。ヒトだ。たぶん。
『赤い服』を着ている。
デコらへんが赤く輝いているんだけど、なに?
デコから何かが…赤い2本のナニカが生えているみたいだけど、見間違いだろうか。
そういえば4人共、ナニヤラ手に物を持って居る。
あれは……。
ニンジャがよく使っている『クナイ』か?
『ジュウ』か?『ユミヤ』か?
赤い服を着た人?が『バット』を片手にこう言った。
「どうやって
空から赤い、怪しげな光が差し込む。砂埃やら塵やらが、朧げにおさまっていく。
フリーズしていた手でズレた眼鏡を持ち、正しい位置に戻す。薄ぼけた視界が鮮明になっていく。
その視界で、その現実を見すえた。
────ああ 、どうして。
どうしてこんな事に──────────……………。
・
・
・
暗転。
─────────────────────────────────
よろしくお願いします。閲覧、☆、フォローありがとうございます。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます