四季色の独白

伊吹

寒露の詩

夕焼け色の空に見た 宵の明星

夜のあおに呑まれゆくあか

その美しさに何か神秘を感じて

心はどうしようもなく高揚する


何処からか風が運ぶ 金木犀の香り

やや肌寒い秋の日暮れに澄んだ空気

その優しさに少しでも長く包まれていたくて

家路は長くなる


気づけば日は沈んでいて

頭上を星々が埋め尽くす


煌々と地上を照らす 月明かり

廃墟混じりの旧市街地に街灯は少ない

その孤独が楽しくて

独りがいっそう好きになる

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

四季色の独白 伊吹 @su_zu_ki

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ