一件のコメント
@__pxkd
第1話
佐藤由香里、一七歳。私はsnsが大好きだ。なぜなら、みんな私の顔を褒めてくれるし、応援もしてくれる。そんなみんなが大好きだ。しかし、あることをきっかけに私はsnsを辞めた。
七月十五日、私は友達と遊んだ時に撮った写真を載せた。載せる前には必ず自分の顔を加工してみんなが好きな顔に変えるようにしている。「よし!これでいいかな。」何回も加工した自分の顔を見ておかしなところがないかをよく確認して、あれば不自然にならないように修正をする。ようやく写真を載せるとすぐに何百ものいいねやコメントがつく。この瞬間が私にとって一番の楽しみだった。「今日もかわいいね」「ずっと応援してます!」コメントは私のモチベーションになる。ずっと自分の顔が嫌だった。でもsnsなら加工した自分を載せるだけでこんなに褒められる。絶対に辞めたくない。そう思っていた。
八月二日、今日は家でゆっくりしていた。スマホを見ていると一件のコメントがついた。「こいつ加工しすぎで原型とどめてないww」まるで私の普段の顔を知っているかのような文だったのもあって冷や汗をかいた。でもよく考えてみると加工しすぎなのは誰が見ても分かるのでそのことだと思って納得していた。
しかし、そんなコメントは日に日に増えて、しかもそれが全て同じ人が書いているということが分かった。少し怖い気持ちもあったが、いつかはなくなるだろうと思いあまり気にしてなかった。
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