十一泊目♪ ダメ ♪

「それなら〜?

おうちからプロ用の道具一式持ってきますね〜

運賃はパパにお願いしま〜す」


「わあ! 夢楽ゆらちゃん、太っ腹!

でも危ない夜のお仕事はだめだよ?」


「ほんとのパパだし〜!

ぷんぷん!

うちは都心の一等地に豪邸をかまえるセレブだから大丈夫〜」


「あれ? でも先生、お金に困ってなかった?」

「貧乏暮らしは趣味なの〜。

さっそくLIME入れとく〜。

あ、執事さんに食材と業務用冷蔵庫も頼んどくね〜」


「執事! ふんわり本物お嬢様の余裕を見たわ!

落ちぶれ貴族の末裔とは格が違いすぎるわ!」


「ついでに営業資金に宣伝費におこづかいもお願いしていいかな?」

「あんた、人としてのプライドはないの?」


「え? だって楽できるよ?」

「母のためにがんばるんじゃなかったの!?」


「そう! その通りだよ!

ママのために旅館、九十九つくもを人気な隠れ宿にする!

そして、従業員に働いてもらって夢の食っちゃ寝生活!」


「ダメな夢まっしぐら!」

「いっしっし!

今までとあんまし変わんねぇじゃねぇかよ!」


「というわけで!

女将はわたし、陽和ひわ

お風呂掃除は豆柴な久遠くおんちゃん!

お料理はゆっさゆさバニーの夢楽ゆらちゃん!

無駄飯食らいはオコジョのいっちゃん!」


「気高い狼よ!」

「俺はイタチだ!」

「ゆさゆさ〜?」


「お布団にお掃除に接客に電話対応に予約管理、その他あれこれはげんさん!

これでスタートできるね!」


「玄さんの負担が多すぎだわ!

陽和は何もしないつもり!?」


「女将だから!」

「女将なら接客ぐらいやれ!」


「もう! しょうがないなあ!

じゃあ接客だけね!

わ〜い♪

人気女将までもうすぐだね!」


「もしかしてうまいこと誘導された!?

もっと精力的にやんなさいよ!」


「ん〜? じゃあ、スタッフ募集はがんばるね!

マジシャンやピエロに猛獣使いなんてどうかな?」


「サーカスなエンターテインメント!

方向性が違くない!?」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る