六泊目♪ トキメキ♪

久遠くおんちゃん、うちで働きたいんだね!

それなら早く言ってくれればいいのに〜!

さっそく今日から働こう!

レッツゴー♪」


「え!? ちょっと!?

うわ!?

人生初めてのお姫様抱っこ!?

わたし重くない!?」


「甘〜いイチゴよりも軽いぜ!」


「ぜ!?

甘いイチゴってなに!?

パンツもイチゴだったし!

きゃっ!?

足、早!

どんだけ力強いの!?

体が浮いてるみたい!

え? なにこのトキメキ?

ドキドキする?

曲がり角のドリフト感!

対向車すれすれ!

これって死を感じるドキドキよね!?」


吊り橋効果ドキドキ♡




「ようこそいらっしゃいました〜!」


「ようこそじゃないわ!

死ぬかと思った!

わたしって拉致されたのよね!?」


「そんなことしないよ〜!

ほら! あれが旅館、九十九つくも!」


「これがジャパ〜ンの旅館……

趣のある和風な佇まいが素敵ね」


「そうでしょ!

ママが唯一残してくれた大切な旅館なの……

ずっと休業してたんだけどね!

ママのためにも営業再開して、人気旅館にしたいんだ!」


陽和ひわさん……

それで従業員の募集をしてたのね。

がんばって!

それじゃあ、わたしは帰るわね」


「あれ?

深〜い同情心から一緒に働く!

って言ってくれるんじゃないの?

陽和でいいよ!」


「別に働きたくはないから!」

「いまなら、そこにいるお掃除げんさんの手作りサンドイッチ付きだよ!」


「バッタは食わん!

そこはお給料でしょ!?」

「お給料?」


「首をかしげるな!

無給!?

そんなんじゃ誰も働かないし!」


「そっか!

ん〜と? じゃあこれならどうかな?

玄さん、集めた葉っぱちょうだい!」


「もしかして、葉っぱがお金って言うの!?

おままごとじゃないからね!?」


「はい! これでいい?」

「ぶはっ!? 札束!?

どっから出した!?

葉っぱはどこいった!?」

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