プロローグ　出会い

1話

「駿。早く、公園に行こうよ」

　楓は、桜道で後ろを歩きながら、振り返る。

「ああ。今年も桜が満開だな」

　駿は頷きながら、ゆっくりと歩いている。

　この物語の主人公の塚野　楓（つかの　かえで）。高校二年生の十七歳の彼女

　である。

　髪はセミショートで茶髪、顔つきは面長で、目は大きく、鼻も高い。『美人』

　っていうよりもかわいい。

　格好も、デニムのシャツにジーパンというまるで男の子に、見えてしまう

　ボーイシュな女の子。

　もう一方の小山　駿（こやま　しゅん）。同じく高校二年生の十七歳の彼で

　ある。

　髪は、今、流行の髪型に、耳はピアス。イケメンの男の子。

　春になる二人を囲む桜道は、粉雪のように舞い降りるたくさんの桜が、

　道の脇に植えられている。人々が通っていくので、『桜道』と言われている。

　別名『出会いと別れの道』とも呼ばれている。

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