12.氾濫と防衛

昨日、異常な数のコボルトの群れと遭遇したことを父さんに報告したところ、翌日、冒険者ギルドに連れていかれて、この間家に来ていたギルドの偉い人と話をすることになった。


この、ギルドの偉い人はただ偉いだけではなく、引退したもとA級冒険者らしく、今は、ギルドの中でも大きな発言権がある幹部をしているらしい。

そんな彼のステータスは


名前 ハウガン(男)

称号 ギルド本部幹部 歴戦の猛者 元A級冒険者

レベル 68

能力 《スキル》

・斧術(Lv9)・体術(Lv6)・猛者の一撃(Lv MAX)


バリバリ戦闘特化で正直びっくりした。真正面から戦っても勝てる気がしないな


「今回来てもらったのは他でもない、昨日の森の様子がおかしかったという報告について詳しく聞きたいと思う」

「わかりました。」

俺が報告した内容は

・コボルトは基本4〜6体で行動していることが多いが、俺が遭遇したやつらは、10体で行動していたということ。

・ゴブリンも短時間で結構な数と遭遇したこと

・ウルフの上位種がいたこと

この3点だ。


この話をした後に、今度はハウガンさんが極秘で昨日のダンジョンのことについて教えてもらった。

ほぼ確定で、スタンピードの前兆が起こっているらしい。

森の方でも、スタンピードに似たようなことが起こっていることから考えると、とても偶然とは思えないな。


______________

あれから一週間が経った今日、最悪の事態が起こってしまった。

全く同じタイミングで森とダンジョンがスタンピードを起こしたのだ。

この一週間スタンピードに向けて準備をしてきたため住民の避難などは済んでいるし、今回のように同時に起こることも想定していたため、対処できているが非常にギリギリの戦いを強いられていた。


俺は現在、アルフハーツの軍を引き連れて森の方の魔物討伐をしている。

ちなみに父さんは、冒険者を指揮しながらダンジョンの方のスタンピードの対処をしに行った。


今のところ死者が出たという報告は受けていない。

この一週間で俺は父さんから軍を指揮するために必要な技術をみっちり教え込まれた。

うちの軍に所属している人は最初の頃は、俺の指揮下に加わることに不満がある人が多かったが、俺と模擬戦して俺が勝ったら指揮に加わるという条件で模擬戦をして俺が圧勝したことでみんな言うことを聞いてくれるようになった。


「カナタ様、第一波はおさまったものと思われます。」

「確認した。ご苦労様。全軍、安全地にて第二波まで待機してくれ。」


第一波が収まってから、30分後、第二波が起こった。先ほどのコボルトやゴブリンに加え、ウルフやその上位種さらにオークがちらほらと見えた。


俺は全軍に指示を出す

「全員、一体も街に近づけるなよ!死なない程度に頑張ってくれ。負傷者は退避して回復魔法を使える者に回復してもらえ、ギルドから回復薬も大量にもらってる。即死じゃなければ助かるからな」


この一週間俺は、光魔法のレベル上げをめちゃくちゃに頑張った。そのおかげで光魔法のレベルは7になりメガヒールまで使えるようになった。


メガヒールは大抵の傷は一瞬で治すことができるため今後の活動でも大いに役立ってくれることだろう。

ここらで俺も参戦しようか。

「合成魔法、火炎暴風フレイムテンペスト

この合成魔法は俺がつけた名前で、並列発動の応用のようなものだ。






〜〜???side〜〜

「フッ、こっちはハズレかよ。多少魔法が使えるようだが、こんなガキが指揮してるんじゃ、俺らの負けはねぇ〜な」


「ターク、それはわからないよ。君がガキと言った彼は私の鑑定を妨害してきたんだ。それは彼が私よりも上位の魔眼使いということに他ならないのだから。」

その言葉にタークと呼ばれた男は驚く様子を見せたがすぐに笑みを浮かべる。

「そんなに強いようには見えないが精々気をつけることにするさ、アッハッハっハ、はぁっはっはっはっはっはっはっはっはっは」

男の笑い声が森の奥深くに響き渡る














































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