11.親と領主

盗賊を倒した俺は今、助けた人たちと一緒に歩きながら街に向かっている。

あたりはすっかり暗くなってしまっていた。おそらく7時半くらいだ。


しばらく歩いていると、前の方から馬車が3台走ってきていた。うちの家の家紋が付いているのを見るに、帰ってくるのが遅い俺を心配してだろうか?

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「アルフハーツ様、カナタ様と思われる人と、大勢の女性がこちらに歩いてきています。」

「状況がよくわからないが、とにかくカナタは無事なんだな。よかった。」

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「カナタ、よかった。よく無事でいてくれた。」

父さんが慌てた様子で駆け寄ってきて、涙ながらに言ってきた。

少し悪いことしたなと反省した。


「心配をかけてしまいすいませんでした。」

「まぁ、今は一旦その話はいいだろう。それで、その女性たちはどうしたんだ?」

俺は、父さんに今日何があったのかを詳しく説明した。

「そうか、最近情報に上がってきていたんだがこの森に潜んでいたのか。この人たちは、被害者ということか。」

「はい、今日は宿かどこかで休ませて、帰る場所がある人は明日には返してあげるということで、帰る場所がない人はうちで雇えないかなと考えています。これは僕の勝手な考えなのでダメでしたら、他の案を考えようと思います。」

「いや、お前の案を採用しよう。あと、ずっとここで話をするわけには行かない。1台の馬車には盗賊の回収に行ってもらおうと思うそ、してもう一台に女性たちをのせようと思う。それでいいな?」

「はい、ありがとうございます。」


俺たちが家に着いた時には、8時くらいになっていた。

「カナタ!」

家に着くと母さんが飛んできた。

「心配をかけてごめんなさい母さん。」

「話は先行して帰ってきた兵に聞いているは、女性たちが泊まる宿も手配しておいたから」

「ありがとうアリス、助かるよ」



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現在時刻は午後11時をすぎたくらいだ。

現在、リビングに家族全員が集まっていた。家族会議というやつだ。

議題は主に俺のことだ。


「さて、夜遅くに集まってもらってすまないな。時間がもったいないから早速本題に入ろうと思う。まずはカナタ、父さんも母さんもとても心配したんだ、今後はできるだけこういうことがないように気をつけてほしい。」

「はい。母さんとの約束も破ってしまってすいません。」

父さんたちから結構強く言われたが、これに関しては完全に俺が悪いので素直に謝っておく。

母さんも許してくれたのでよかった

「父親として注意はしたが、今度は領主として、大切な領民を助けてくれてありがとう。」

なんと父さんが俺に頭を下げてきたのだ。

「頭を上げてください。」

「最近は盗賊についての被害報告も増えてきていたから、今回の盗賊確保はものすごい功績だ。」

「ありがとうございます。役に立てたようで嬉しいです。」


「次はケイルの話だが、お前には王都にある王立ユークエイト学園に12歳になったら通ってもらおうと思う。お前の頭脳なら学園トップの成績も夢じゃないと思うから頑張ってくれ」

「はい、首席合格 成績1位の報告ができるように今から頑張ります。」

「ここからは、全員に関係のある話だが、盗賊に捕まっていた人の中で帰る場所のない者には、うちに住み込みで働いてもらおうと思っているんだがどう思う。」


「賛成です。うちにはメイドが1人しかいませんでしたし、最近はミンティも大変そうにしているので、増えることは良いことだと思ってます」

「わかった。アリスからの賛成も貰えたからこの話は可決ということにする。」


「僕からみんなに伝えたいことがあるのですが良いですか?」

「良いだろう。今後のことを決める参考にしたいと思うが良いな?」

「はい。」

俺はみんなにユニークスキルの魔法創造と鑑定眼のことを説明した。

「確かに、そんなスキルがあれば盗賊を捕まえるのも簡単にできたかもだし、辻褄も合うな。わかった今回の事件のこともあるし信じようと思う。 このことは家族内だけの秘密ということで良いな。他に何かあるか?ないようだな、それでは解散とする。遅くなったがゆっくり休んでくれ」


俺はこの後自室のベッドの入ってすぐに眠ってしまった。












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