一角獣のため息

Rotten flower

第1話

はぁ、喉が渇いた。快晴の日が長く続き、少し歩いただけでも体中に汗をかく。太陽はいたずらにこちらを覗いているようだ。

生まれつき角を持つ我々一角獣だが、角のサイズは大きければいいというわけでもなく、絶妙なサイズが良いとされている。あまりに大きすぎるなんて論外も同然だ。

奇行種として同世代と比べ一回りも二周りも大きい角は興味を持たれるよりも先に怖がられることのほうが多かった。し、水辺の周りに倒れている死体は角が大きいもののほうが多かった。

そうこう思いながら歩いている間に日光は一段と強く照りつけてきた。

光の反射する場所が見える。きっと、湖か川であろう。

近づくと小さく浅い湖、ちょっと大きめの水たまりと言ってもいいような水たまりがあった。

近くにはいつもどおりと言ってもいいような角の大きい一角獣が眠るように死んでいる。

少しの希望を持って水面に顔を近づけてみる。

角が湖の底に当たった。

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