リスキルされた俺が生首だった!?
@washibann123
1突然に
温かい…暗い…寒い……
……あれ?体が動かない。
感覚がない。記憶がない。ない。ない。ない。
あ…魔女だ。魔女が俺を。痛い。痛い痛い痛い。
死ぬ?嫌だ。嫌だ嫌だ嫌だ助けて…だれか。
叫ぶ。声が出てるのかも分からない。
…………ダメだ…これ。死ぬわ
なんかもう…どうでもいいや
「あ起きた!!おはよう!」
目を覚ましたら、目の前に魔女がいた。
俺を殺した魔女だ。
って…ん??なんで生きてんだ??
「えっと…なんで俺生きてるんすかね?」
「知らない!!殺したのに生きてたから魔法の研究対象として持ち帰ったの!」
魔女は楽しそうに赤いフラスコをかき混ぜている。
だめだ…頭が働かない。きっと疲れてるんだそうだ寝ようそうしよう。
そうして俺が再び目を瞑ろうとしたその時、魔女が言った。
「血とか色々使うからよろしくね!"生首"!」
…………ナマクビ?
もう一度聞いておこう。聞き間違いだ。
「今なんて?」
「なまくび!!!」
無駄に元気よく言われた。なんで??
よく見たら四肢がなかった。もうなんでもいい。
「詳しい話聞きたい?聞きたいでしょ!?」
「う、うん?」
聞く話によれば彼女は弱い魔女らしい。
経験値を上げるために転生したばかりのやつを狙ってたらたまたま俺がそこに転生してきたとの事だ。
つまり俺は転生早々にリスキルされたらしい。
通りで記憶がないわけだ。
「じゃあ絶望ってわけだな!ハッハー」
「え、キモ」
ナチュラルに引かれた。
その後彼女は研究に戻るといい姿を消した。
どうやらここは俺の部屋らしい。
外から鍵をかけられたので出ることは出来ないが、
『研究が終わったら逃がしてやるから大丈夫だよ!たぶん!』
との事らしい。
俺は別にあの魔女のことは嫌いじゃない。
理由はわからないが、強いて言うなら話してて楽しい。それに尽きるだろう。
一一いきなり、そういきなりである。
窓が割れる音がした。
そちらに視線を飛ばすと、
見知らぬ男がこちらを見ていた。
「誰だ?」
不思議と恐怖はない。
数秒間時間が流れたあと、男が言った。
「この家の魔女はどこだ。」
とそういった瞬間、ドタドタと足音が聞こえた。
魔女だ。
その瞬間男がニヤリと笑った。
まぁいい。俺には関係ないことらしい。
ドアが開き、魔女が姿を現す。
「なんの音!?!?………え」
男が口を開く。
「施設にもどれ。」
「嫌だ。絶対に。」
話している内容の意味が分からない。
施設?なんだそれは。
そんな事を考えていると男が魔女に急接近し、魔女は魔法を発動したが意味はなく、強引に引っ張られる。
まぁいい。これで俺は自由の身である。
一一本当にいいのか?
後悔しないのか??
俺の中の何かが問いかける。
その瞬間俺の体は動いた。
2人との距離を詰め男に頭突きをする。
男は驚いた様子でこちらの頭を受け止める。
恐怖はない。なぜなら俺はもう死んだから。
あのとき覚悟を決めたから。
命なんていらない…
男は意外と弱かった。
魔女は男に拘束魔法を施し、どっと疲れが出たのかすぐに眠ってしまった。
次の日起きると男は舌を噛んで死んでいて、
魔女が俺のことを抱きしめて寝ていましたとさ。
続く
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