『夢の中の森 懐かしい笑顔の光』
本当に苦しい時 誰かがそっと僕の肩を叩く
振り向くと懐かしい笑顔が見える
心の中の黒い石が音を立てて崩れさり
頬を涙が伝う 僕は人間的な感情を思い出す
眼の裏に張り付いていた乾いたかさぶたが剥がれ落ち
急に世界が色を取り戻す 香りも感じる
急に体が優しい光に包まれて 全ての苦しみが渦の中に消え去った
『例え全世界があなたの敵に回っても 私はあなたの味方よ』
懐かしい笑顔は そう囁いた
振り向くと苔むした大きな大樹 原生林が広がり 川の音が聞こえる
鳥たちの声が聞こえ 僕は森の中を歩いた
川に大きな丸太がかかっている 懐かしい笑顔の光はその丸太を楽しそうに渡った
僕はその光についていく 苔むした地面 気が付くと裸足だった
開けた場所に出た 笑顔の光は見えず 代わりに老人が切り株に座っていた
急に風が吹き 僕はあたりを見渡す
老人はおもむろに 笛を取り出しメロディーを奏で始めた
僕も近くの丸太に座り その音に耳を澄ませる
僕が本当に苦しい時 誰かがそっと僕の肩を叩く
振り向くといつも 懐かしい笑顔が見える
懐かしい光は いつもどこかに僕をつれていってくれる
笛の音が止むと 僕はベッドの上で寝ていた
木々のざわめきが聞こえる 隙間から木漏れ日がちらつく
ふっと見ると 懐かしい笑顔の光が僕を見ていた
その手を握り 僕は心に潤いを満たした
目が醒めると 自分の部屋のベッドの上にいた
本当に苦しい時 誰かがそっと僕の肩を叩く
僕の苦しみは渦の中に消え 体は光に包まれる
懐かしい笑顔が 僕をそっとささえてくれている
だから僕は もう少しだけ歩くんだ
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