Ø

第1話

『ーー選べ。生か、死か』





冷え切った地面に広がる銀色の髪。



恍惚させる、怪異的なまでに美しい黄金のまなこに組み伏せる男の姿が映る。



抵抗する力なんて残っていない。



自分は、敗北したのだ。







『飼い慣らされろ、底知れぬ化け物に。堕ちろ、地獄よりも深い闇に』




狂気じみたその言葉を、心地よいとすら感じるのは気が狂っている証拠か。



底知れぬ闇へといざなうその誘いは、まるで死神との契約のようだ。












連れて行って、もっと深くに。




突き落として、地獄のその先へ。




壊して、自分という枷を。




消して、悍ましいこの罪を。





1秒ごとに繰り返される罪責の念。



終わることのない悪夢。








その全ての〝終焉〟を、どうかーー。

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