第9話 ギルドを訪れて2

武器が完成するまで村を散策していた二人

ギルドを見つけ"ジーク"の紹介と伝えたところ

ギルドマスターに呼び出されてしまった

一体何が起きるのだろうか…。

------------------------------------------------------------------------------

「いやー君たちがジークの言っていた者たちで間違いなさそうだね!

 改めて僕の名前はゼータ よろしくね~」

何が起こったか分からない二人はポカンとしてしまった。


「ジークさん…?とはお知り合いなんですか?」


「うーん知り合いというか僕の恩師に当たる人だね!

 僕が小さい頃に修行を付けてもらってね

 その彼から少し前に『私の紹介と言う少女が二人来るはずだ

 面倒をみてやってくれ』って言われた矢先に君たちが現れたからねー」

終始ニコニコしながら話しているゼータであった。


「そのジークちゃんからは私たちの事を他に聞いてるのー?」


「他に何か言われたかな…

 あ、そうだ!『私と同じ命を受けている』って言っていた気がするなー

 君たちはどうしてこの村に来たんだい?これも何かの任務かい?」


「えっと私たちは誰からとは言えませんが

 この世界の魔物を倒してほしいと言われまして…

 それで一番最初に見つけたのがこちらの村なのです」

いまいち状況が呑み込めていなくおどおどしてしまう凛花だった。


「なるほどねーじゃあ君たち強いんだ?

 それならジークの紹介という君たちと戦ってみたいな!

 よし決めた!今から模擬戦闘をしようじゃないか!

 ルールはどちらかが負けを認めるまで!」

急に眼の色が変わったゼータであった。

なんといきなり今から模擬戦闘をすることになってしまい

二人は驚いた様子だ。


「あの、えっと私たち実は戦ったことが…」


「じゃあ地下にある訓練室を使おうか!

 ついておいで!」

凛花の話を全く聞かずに地下へと向かってしまった。


「りんかちゃん…もしかしてこれやばめ…?

 うちら戦ったことないのにいきなり戦う流れになっちゃったけど…」

流石の咲希も不安そうな顔をしていた。


仕方なく二人もゼータを追いかけ地下へと降りて行った。


地下の訓練場はとても広く走り回っても問題ぐらいだった。


「さて、武器はあそこから好きなものをどうぞ

 おそらく何でもそろっているから好きなのをとってね」

地下へ着くと武器が沢山置いてある場所を指した。


「咲希ちゃん…もうこうなったらやるしかないよ…!

 できるだけやってみよう!」

先ほどまで不安な様子であった凛花だったが

何故かやる気になっていた。


「りんかちゃんがそういうなら…

 うん!やれるだけやってみよう!」


そして二人は武器置き場まで行きそれぞれ武器を選んだ


凛花は片手で扱える剣を選び

咲希はなんと槍、剣、短剣、弓の4つの武器を腕いっぱいに抱え込み

ゼータの待つ場所に向かった。


「さて!最初はどちらが戦ってくれるのかな~?」

ゼータは素手の様子で軽く準備体操をしながら二人に問いかけた。


「じゃあ、うちやってみるね!

 ほんとはスキルを試したいと思ってたところだし!

 ではうちからいくよ!」

咲希は背中に弓を抱え、短剣を腰に付けて

槍を地面に突き刺し、剣を構えた。


「ふむ君は武器を色々使うのかな?

 使う武器は一つの方がいいと思うけどねー

 まぁ君がそれでいいならやろっか!じゃあいつでもかかっておいで!」


ゼータは軽やかにステップを踏んで拳を構えた。


「じゃあ試してみますか!まずは剣から!」

咲希はそう言って剣を構え集中した。


すると直後に青いオーラを纏い剣の構えが変わった。


「ほお…さっきまで素人の構えだったのに急に

 達人の様な隙の無い構えになった…どういう仕組みかな?」

なんだかうれしそうな表情で咲希を観察していた。


「ではそろそろ行かせてもらおうか!」

突然咲希は少し年齢が上のお姉さんの様な口調に変わった。


その後とてつもない速度で走りだし、一気にゼータのところまで距離を詰めた。


「おっと!これはすごいね!剣のスキルなのかな?

 見たことない感じだ!」


そういいながらあっさり咲希の間合いから外れた。


「ほう貴様なかなか良い動きをするではないか!

 これは楽しめそうじゃな!」


咲希は何の迷いなく剣を振りかざすと

少し前の凛花が行った様な斬撃を放った。


「これはこれは!なんか見覚えがある技だね~

 僕も本気出さなきゃまずそうだ!」


ゼータは迫りくる斬撃に避けようともせずに立ち尽くしていた。


そして斬撃が目の前に来たその時

瞬時に拳を斬撃を叩くように前にだした。


すると突如、咲希が放った斬撃が消え去った。


「ごめんねーこれは僕のスキルの"滅却"の効果なんだー

 効果は受ける攻撃のそれ同等、もしくは以上の力で僕が攻撃した物は

 しちゃうんだーまぁ細かい制約が多くて大変ではあるんだけどね~

 例えば武器などの形あるもので攻撃されると攻撃事態は無効化できるんだけど

 武器は消滅させることができないんだ、まぁダメージが0なだけで十分だけどね」


なんとゼータは凄まじいスキルの持ち主だった。

縛りがあるとはいえ、攻撃や・ダメージを無効化するのはあまりにも強かった。

この状況で咲希はどう戦うのか…。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る