第7話 武器を作ってもらおう2
宿をでて噴水の前でパトスと落ち合い
工房へ向かう、ついに武器を作ってもらう事になったが
咲希は武器の全適性がある事が判明した
一体どんな武器が完成するのか。
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「これも触れるだけで大丈夫なの?」
そういいながら魔導鉄を受け取った。
魔導鉄は虹色の光を帯びて形が変形していった。
「おお!なんじゃこのじゃこの反応は!
見た事ない光り方をしておる!」
興奮気味なパトスであった。
「さて、ワシのスキル"鑑定"で見てみるかの」
パトスは魔導鉄じっくり眺めた。
「これは素晴らしい物じゃ!」
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≪
魔力が込められた鉄
武器への全適性があり、流す魔力によって形状を変化させることが可能。
魔力を込めた本人にしか使用することができない。
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「どんなことが書かれてるのー?」
「簡単に言えば本人の意思で
武器の形状を自由に変える事ができる物という事じゃ
これは武器というより"魔道具"に近しい存在になりそうじゃな」
「なにそれ!なんか強そうだね!」
「強いのは確かじゃが武器を変形させるためには
それに合った魔力を流さんといけないから、それが大変じゃろうな…」
「そっかーでも何とかなるでしょ!」
大変と言われたが全く動じない咲希であった。
「ではリンカ殿は刀で、サキ殿は魔道具を制作するということでよろしいかな?
あと忘れておったが、リンカ殿の刀にも魔導鉄を使用するから
後で少し時間をくれるかな?」
「はい!分かりました!
因みにどのぐらいのお時間で完成するんですか?」
「そうじゃな…二つ作るとなると三日ほどかかるかのぉ
じゃから三日後にまたここへ来てもらっていいかい?」
「分かりました、三日後にまたこちらに来ますね」
「うむ、全身全霊で武器を作るから任せてほしい」
そうして二人はオーダーメイドの武器を作ってもらうことになった。
「りんかちゃんこれからどうするー?
村の中を散策でもするー?色々と情報も欲しいし!」
「そうだね…まずは情報収取だよね
酒場とか色んな場所に行ってみようか!
あ、でも一旦私はパトスさんに呼ばれてるから…」
「じゃあ!うちは、一旦宿の方に戻って食事の準備してもらうように
いってくるねーりんかちゃんが帰ってきたころには
食べられるようにしとくから!」
「あ、ご飯まだだったね色々あって忘れてたけど
何だかお腹がすいてきちゃったなー」
その時咲希と凛花のお腹がぐぅーとなった。
「あはは、うちもかなり腹ペコだよー!
ということでまた後で合流しようねー」
そう言って咲希は宿に戻ることにした。
「お待たせしました、魔導鉄ですよね!」
「魔導鉄を使うのはいいんじゃが、リンカ殿が言っていた
二つの金属を使うというというのがどうすればよいか
悩んでおっての…もう一種類の金属を何にすればいいのか…」
初めての行いにパトスは少し困っていた。
「うーん、先ほどは二つの金属と言いましたが
難しいのであれば魔導鉄だけでも大丈夫ですよ!」
少し残念ではあるが難しいなら諦めないといけないと思った凛花だった。
「すまないの…せっかくリンカ殿が提案してくれたのに…
じゃが魔導鉄だけでも良い武器が作れるから安心しておくれ
さてリンカ殿、魔導鉄に触れてみてくれるかな?」
「じゃあ触りますねー」
凛花は魔導鉄に触れたその瞬間
魔導鉄は黒い光を放って真っ黒なオーラを纏った。
「えっと、これってどうなんですか…?
黒色に光るとどうなんでしたっけ…?」
「なんじゃと!黒に光っておるのか!」
別の作業をしていたパトスが急に振り返った。
「黒色はな…勇者に選ばれた物だけが発現すると言われている色なのじゃよ…
ワシは書物でしか確認はできていないが
確か歴代の勇者の持つ魔力は黒と読んだのじゃ…」
「それって私が勇者かもしれないってことですか!?」
突然の勇者というというワードに驚いた凛花だった。
「そうじゃ…ワシが読んだものだと勇者は神に選ばれた存在で
魔を倒す為の膨大な力を授けられた、その力は底しれない力で…
そう"黒く先が見えない"程の大きな力だそうじゃ…
詳しい事はわからないんじゃがの…」
「そうなんですね…その魔力について詳しく知ることはできないんですか?」
「そうじゃな…"聖国セピアトス"なら魔力について
詳しく知ることが出来るかもしれないの…」
「その、聖国はどうやったら行けるんですか?」
自分の力に興味がある凛花だった。
「セピアトスは王都を越えて、更に遠くの所に位置する国での
かなり遠い場所じゃからすぐに行ける場所ではないんじゃ…」
「そうなんですね…あ、話を色々聞いてしまってすいません!
とりあえず魔導鉄ですよね、これで大丈夫ですか?」
凛花はパトスに魔導鉄を手渡した。
「いやいや、いいのじゃ!元はワシが勇者かもと言ってしまったのじゃから…」
パトスが申し訳無さそうに謝った。
「よし!あとは制作にとりかかるだけじゃな!
ではリンカ殿また三日後に来てくれるかのぉ?」
やる気がみなぎっているパトスであった。
「はい、わかりました
では私たちの武器をお願いしますね、失礼します」
凛花は工房をでて宿屋の方向に向かう事にした。
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