第23話
「…泉ちゃん。貴女に七瀬龍治が居るように、私には誠也さんが居てくれる。でも…私は、貴女が心配なの! 本当にあの人でいいの? あの人は、確かに泉ちゃんを愛しているかも知らない。それに、華ちゃんの事だって過保護すぎるほど愛してる。だけど、あの人は、自分の価値の為に、私を強引に妻にした男よ? 貴女にだって…」
※泉には、七瀬との間に今年3歳になる娘、華が居る。
「…樹利亜さん。私は、龍治さんを信じてますから。それに…」
頬を真っ赤にしながら、時に照れながら恥ずかしそうに、旦那である七瀬龍治の方を見る泉に、樹利亜はため息をつきながら、彼女の両肩を掴む。
「…泉ちゃん。貴女って人は…でも、何かあったらいつでも言ったね?」
「はい! だけど樹利亜さん! それなら心配及びません! 龍治さんに私達、家族を一度でも裏切ったら、即行…離婚だよ? って 華が生まれた時に、龍治さんに実印と名前を書いて貰った誓約書を証拠の動画付きで貰いましたから、もしもの時も心配いりません」
さっきとは一転、七瀬に「即行離婚だよ?」発言に、樹利亜は心の中でおおおおと叫んだ。
その会話を訊いていた堂城が、七瀬の肩を持ちながら一言…
「…七瀬お前、絶対穎川裏切りなよ?」
「…あぁ…堂城さっきは悪かった」
「いいさ」
樹利亜は、堂城と七瀬の会話を笑顔を見せながら、泉に別の話題を振る。
「そう言えば、昴くんまだはきてないんだね? 彼も呼ばれたんだよね? 美緒ちゃんに?」
すると、泉が驚いた声を上げる。
「えっ!」
「泉ちゃん?」
そんな泉の様子に樹利亜は驚く。
「あぁ! 昴君は、花屋の仕事が終わり次第参加するみたいですよ?」
「そうなんだ。けど、この時期は、特に忙しいから無理だけはして欲しくないよね? 渚くんもきたことだし私達も行こうか?」
「…うん」
泉は、樹利亜にばれない様に、自分達の会話を能力を使って姿を消したまま訊いている鳴海坂昴がいる方を一瞬睨みつけながら、彼女の後ろを追い掛けた。
★
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます