第15話
2時間後。12時。
「泉石さん! 今日は、本当に無理を言ってすみませんでした」
「いえいえ。こちらこそお役に立てならよかったです。でも、本当によかったんですか? 旦那さん抜きで前撮り写真をお撮りして。旦那さんも一緒に前撮り撮りたかったじゃあないんですか?」
「大丈夫です。旦那には、さっき連絡して事情を話したら納得してくれました。あの? それで…その旦那からのお願いなんですけど…来週の私達の結婚式に、カメラマンとして参加して頂く事は可能でしょうか?」
撮影を終え、会議室に戻ってきた杏奈から突然のお願いに美緒は驚く。
「えっ! それは…ちょっと」
自分達の事を知っている草津千里からの式への参加に、美緒は拒否権を発動させる。
「そこをなんとかお願いできませんか?」
「すみません。その日は、単身赴任の旦那が久しぶりに帰ってくるので、家で帰りを待っていたいんです。それに…」
頬を恥ずかしいそうに赤めながら、胸の前で両手をモジモジさせる。
「あぁ! すみません! そうですよね? 旦那には、私から断っておきます。今日は、本当にありがとうございました」
杏奈は、逃げるように荷物を持って会議室から出て行った。
そんあ、杏奈に向かってカメラを構え、シャッターを切る。
(愛には色んな形があるんだね? そこに愛があるかは別として…)
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