第17話

「ふふ」

「先輩? どうしたんですか?」

 急に何かを思い出したかのように、笑い出した小泉に、渋谷がどうしたんですか? 食後のカフェオレを飲みながら尋ねてくる。

 ※約束の時間よりも30分以上、早くついてしまったので先に、昼食を食べる事にした。

「ちょっと昔のことを思い出しただけ? それにしても、若瀬先生遅くない?」

「そういえばそうですね?」

「渋谷ちゃん! いま何時?」

 渋谷は、小泉の問いかけに、急きょ、腕時計で、現在の時刻を確認する。 

「ちょっと待って下さいねぇ? えっと……13時10分です」

 確か、約束の時間、13時でしたよね?

 不安な表情を浮かべながら、渋谷は小泉の顔を見る。

 一方の小泉も、そんな渋谷の感情を感じ取ったのか、テーブルに置いていたスマホに手に取り、若瀬怜音から連絡がきていないか確認する。

 しかし、電話どころか、メッセージすらなにも来ていなかった。

「10分か? まぁ? こっちが先生に、取材をお願いしている身だし、もう少し待ってみようか?」

「そうですね?」

 小泉の問いかけに、渋谷も賛同する。

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