第7話

雫丘出版 屋上。 出入口は、3か所(※非常事態の時の非常階段も含め)

「はぁ」

 堂城は、缶コーヒーを飲みながら、空を見上げている。

「はぁ? またやってしまった。はぁ……」 

 黒蝶時代の堂城の悪い癖=口元だけ笑いながら相手を怒る。

 これをやってしまうと、殆んど人間が怯えてしまう。

 それも、これをやっている時、堂城自身は、その事に全く気付いていなので2倍たちが悪い。

「はぁ……俺はただ黒木に、確認、いやぁ? 真相を尋ねたかっただけなのに。はぁ……」

 堂城は、屋上の柵に両手を置き、下の景色を覗き込む。

 丁度、お昼時なこともあり、ランチに向かう沢山の人が道路を歩いていた。

 その姿に、堂城は思わず、

「……もし、いま、俺がここから飛び降りたら、みんなどういう反応するかな?」

 自殺を伺わせる言葉を呟く。

 しかし、すぐさま、

「なんってねぇ? そんなバカなことなやったら、樹利亜どころか、あいつらにも馬鹿にされる」

 あいつらとは、勿論、泉石渚と鳴海坂昴、それと、七瀬龍治のこと。

「けど……いやぁいやぁ! 俺は……」

 堂城は、柵から離れ、残りのコーヒーを一気に飲み干し「晴海」に戻ろうとしたら、

「……死神先輩でも、弱音を吐くことがあるんですね?」

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