日常
第2話
6月10日 雫丘出版「晴海編集部」
「堂城副編集長浜中商事の浜中様から、2番にお電話です」
自分のデスクで、沢山の資料を前に、来月号の「晴海」に載せる特集ページメインをどうするか悩んでいると、渋谷咲が堂城に電話ですと声を掛けてきた。
渋谷咲は、今年の3月、同じ職場「黒蝶」で働く、音無悠と結婚を機に、雫丘出版を辞めた滝川春の代わりに、雫丘出版に入社した中途採用者の25歳。
「解った」
渋谷の呼びかけに、堂城は、資料からから視線を外し、受話器を取り、内線に出る。
「はい。もしもし、お電話変わりました。浜中様。先月は、お忙しい所、わが社の取材を受けて頂きありがとうございました。えっ? あぁ! 解りました。すぐに確認してみます」
堂城、浜中との電話を切ると、資料をファイルに戻し、小泉璃菜と今から取材に行こうとしていた黒木胡桃を呼び止め、自分のデスクに呼んだ
「黒木、取材行く前にちょっといいか?」
「あぁはい! 璃菜ちゃん! ごめんだけど、駐車場で待ってくれる?」
黒木胡桃は、小泉に、社用車の鍵を渡す。
「解りました」
小泉は、胡桃から鍵を受け取ると、独り晴海編集部から出て行った。
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