第6話

12月12日

 あの手紙を見つけてからの3日間。

 私は、あの手紙を何故かずっと持ち続けていた。

 きっと、私の気のせいだ。永輝さんは、優しい人だから、そのお礼だよね?

 そう、何度も何度も自分に言い聞かせた。

 けれど、3日目。とうとう、限界を迎えた。

 永輝さんを見送り、仕事に向かう最中涙が溢れてきた。

(なんで、わたしばっかり、こんな気持ちにならないといけないの?)

 止まって欲しいのにどんどん溢れてくる。

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