第47話

「…ありがとう。もう大丈夫! 誠…いやぁ、堂城君。私、今度こそ、もう行くね?」

 随分に泣いて、堂城に最後の別れができた梨々花は、彼から離れ、今後こそ、本当に給湯室から出て行こうと扉の方に歩を進めた…その瞬間…

「犬塚梨々花さん! 今日まで、こんな俺を愛してくれてありがとうございました」

(本当もう…馬鹿なんだから。でも、ありがとう。私が好きだった人)

 自分に対して頭を下げてくる堂城の方を振り向かずに、梨々花は給湯室から出て行く。

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