第20話
『…不慮の事故ですから、気にしなくて大丈夫ですから』
樹利亜は、今日仕事が休み。
なので、朝から旅行・観光を扱う部署が発行している、「天空」で以前紹介されていた市内の人気のパンケーキ専門店にパンケーキを食べにきていた。
人気パンケーキだけあって樹利亜がきた10時でも行列が50人くらいできていた。
なので、樹利亜が店に入店できるのは、2時間後。
でも、いまの樹利亜は2時間後に食べられるパンケーキより、いまさっき、渚から告げれた衝撃の事実でパンケーキどころではなくなってしまった。
(私が、渚君とキス。それも、自分から彼の唇を奪った。それどころか、私は…堂城君が好きなのに、2度も彼以外の男と唇を重ねてる)
私の唇には、二人の男の感触匂いがしみ込んでいる。
一人目の、後輩の文月蓮司は、私が指導している後輩の中で、一番信頼できる後輩。
そんな彼に、先日いきなり「自分じゃあダメですか? 俺は、七瀬先輩が好きです」と告白された。
だけど、私は、ただ一言「あの人を裏切らない」と彼の告白を断った。
本心じゃあ、一目散にむしろ、自分から裏切ろうとしているのに。
でも、私は、文月くんの気持ちには、どうしても答える事はできない。
だって、私が好きなのは…堂城君だから。
それでも、私が、告白を断った
翌日、文月君は、突然仕事を辞めた。
理由は、どうあれ、私は、彼から大好きな仕事を奪ってしまった。
だからこそ、渚君は、キスの事は、気にしないで下さいって言ってくれたけど、文月くんみたいになって欲しくない。
これは、もしかしたら、エゴなのかも知らない。
でも、渚君には、文月君みたいな思いはして欲しくない。
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