年下の後輩

第12話

_拝啓 七瀬樹利亜様_

 突然このようなお手紙をお送りしてすみません。

 わたくし、柿谷霧矢と申します。

 今日は、貴方様にお願いしたい事ありこの手紙を書きました。

 わたくしは、普段探偵事務で探偵として働いております。

 先日、堂城誠也と名乗る方男性が七瀬樹利亜様、貴方様を捜して欲しいと事務所を訪ねてこられました。

 最初は、七瀬様に関する情報が余りにも少なく依頼をお断りしました。

 でも、そのあと何度も事務所を訪ねてこられては、七瀬様を捜して欲しいとお願いされるので、そこまでして七瀬様に会いたい理由があるのですかと尋ねてみました。

 すると、堂城様が突然泣き出し、自分達は結婚を誓い合った元恋人同士だったんですと当時貴女に渡すはずだった婚約指輪を自分に差し出してきました。

 それを見て、堂城様を七瀬様に会わせたいと強く思いました。なので、彼の依頼を引き受ける事にしました。

 そして、驚くことに堂城様の依頼を受けて1週間後に、七瀬様の居場所がすぐに発覚しました。

 七瀬様、貴女の旦那様は、警視庁捜査一課の刑事だったんですね?

 だけど同時に…全員同じ事を自分に言ってきました。

「…あの人の仕事に対する気持ちは尊敬できるけど、人しては絶対尊敬できない。よくあんな人と奥さん生活できてるよね? 尊敬する」

 七瀬様。貴女に、こんな事を言ったら怒れるかも知らません。

 でも、貴方は本当に彼の事を愛していますか? 

 もしも、貴方が堂城誠也さんと会って頂けるのなら、7月11日、金曜日20時に、「料亭:月夜見」にきて頂けませんか?

 ☆☆

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