第63話

12月12日 午前7時 西野なこ自宅。

_ちちっちちちちちちちちちい_ 目覚まし時計のアラーム音。

「……んんんんん」

 寝室に響き渡るなこのうめき声。

 なこは、大学時代住んでいたマンションを出て、今は会社がある「葵」にマンションを借り住んでいる。

 出版社「幸せなねこ」までは徒歩では20分。自転車では10分で行ける。

 近くにはコンビニ、スーパー、飲食ができる店が複数あり、少し歩けば交番、そして仕事で遠くに取材に行く時も徒歩5分で最寄りの駅である葵駅に行けるので交通の面でもとっても便利。

 なので、女性の一人暮らしでもとても安心。

「……もう朝?」

 目を覚めしたなこは、手に取った目覚まし時計アラームを止め、現在の時間を確認する。

 なこは、仕事がある日は、7時にアラームをセットしている。

 しかし、昨日は色々あってアラームを付けた記憶がない。

 それどころか、昨日いつ寝たのか覚えていない。

 でも、ベットでそれもきちんと部屋着に着替えている所を見る限り、昨日の自分は、ちゃんとやる事はやってから寝たのだろう?

 しかし、なこのそんな甘い考えはすぐに……

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