片恋慕

第57話

●恋慕の意味、特定の異性を恋い慕うこと。

●恋慕の「恋」は、特定の人に強く惹かれることや、切ないまでに思いを寄せる事。

●片恋慕の意味:一方的に恋い片想いのこと。

※webサイトの辞書サイト参照。


「はぁ?」 

 大きく深呼吸を1回する。

 そして、電話に出た7年ぶりの兼城薪に向かって……

「兼城さん……お久しぶりです。 私、西野なこといいます。兼城さん、私の事覚えていますか?」

{西野さん? えっと……}

 電話越しに混乱している兼城声が聴こえてくる。

 そうだね? 覚えてないよね? 7年も前だし。

 それに……

(彼は……いつも來未しか見ていなかった)

「あぁ! 覚えていないのなら大丈夫です。それに、私の方こそ、変なこと言ってすみませんでした」

 本当は、覚えていて欲しかったけど……

 そう心の中で呟きながら兼城の言葉を返す。

{いぇ。そんな事は……。あの? 西野さん?}

「はい」 

{自分とは、どのようなご関係だったんですか?}

 兼城が、自分との関係を尋ねてきた。

「大学の同級生です」

 ☆

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