第114話



「莉茉、行くぞ。」




「うん。」




暁に頷いた私は、後ろを振り返って軽く頭を下げた。




「学園まで送りをありがとうございました。それじゃあ、行ってきます。」




私が顔を上げれば、2人共、優しい笑顔を浮かべている。




「若姐さん、帰りもお待ちしております。」



「後でね、莉茉ちゃん。」





深く頭を下げた銀次さんと、手を振ってくれる大雅さんに見送られて、私は学園へと歩き出した。

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