第108話




「……莉茉。」



「うん?」



「違うだろ?」




俺の目線の先は、莉茉の手。




「違う?」




そんな俺の視線に、不思議そうな表情を浮かべた莉茉は、首を傾げた。




「ちゃんと、こうやって俺の手を握れよな?」




俺の服の裾を掴む手を取り、自分の手と握り直せば、目を丸くさせる莉茉。





「っ、うん。」




次の瞬間、莉茉が嬉しそうに微笑んだ。

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