第107話




「うん?」



「もう、出る時間だ。」





ちらりと時計に視線を向ける。




そろそろ、家を出るには良い時間だ。






それに、このままいたら、ベッドに莉茉を押し倒しちまうからな。




転向初日に、それは可哀想だ。



「…………うん。」




途端に不安そうな顔になった莉茉が、俺の服の裾を掴む。




「………。」




……全く。




何で、俺の裾を掴むんだよ。

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