第105話
「……ん。」
ゆっくりと首筋に。
白くて細い莉茉の手首にも、香水を馴染ませていく。
ふわりと香る、同じ匂い。
「……………なんか、暁に抱き締められてるみたいで落ち着くね。」
匂いを嗅いだ莉茉が、にっこりと微笑んだ。
「………。」
ーーーーこいつは。
また、そうゆう事を…。
こっちは、せっかく我慢しているってのに。
……………………やっぱり、誘ってんのか?
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