第102話
「……………、暁?」
「うん?」
「あの、さ?」
もぞもぞと動いた莉茉が、俺の腕の中から顔を上げる。
「暁が使ってる香水、借りても良い?」
「香水?」
しかも、俺の?
莉茉には、俺が似合うと思った香水を買ってある。
結構、本人もその香りを気に入っていたばずなのに。
「………莉茉、何に使うんだ?」
俺の疑問も、最もだと思う。
莉茉に対して、首を捻るしかなかった。
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