第76話




唯一の救いは、会話に夢中で莉茉がそれに気が付いてないって事だな。




「…………、もう、頼さんったら。」




親父のお世辞に、年甲斐もなく頬を染めるお袋。




「うん?美夜、本当の事だろう?」




「でも、恥ずかしいわ。」




「そうか?」





恥ずかしがるお袋を、愛おしむように見つめる親父。







年がら年中、いちゃつく2人に俺はげんなりとするしかない。




「お父さん達、とても仲が良いんですね?」




くすくすと笑う莉茉に、親父は気まずそうに目を宙に向け、お袋は照れくさそうに微笑んだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る