第69話



「莉茉、大丈夫だ。ちゃんと俺がいる。」




「………、うん。」





真っ直ぐに私の顔を覗き込む暁に頷いて、ゆっくりと室内に震える足を踏み入れる。






歩く間も集まる視線。




行きぐるしさが半端ない。




それでも、どうにか辿り着いたお父さんの前。




「やぁ、莉茉さん。良く来たね。」





穏やかなお父さんに、ほっとしてしまった。





やっぱり、組員さん達の反応がまだ怖いけど。




そこは追々、慣れていきたいと思う。

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