第65話



「さぁ、行きましょう莉茉ちゃん。」




お母さんに手を引かれて、必然的に座っていたソファーから立ち上がる。




「えっ?……、でも…。」




ちらりと隣に視線を向ければ、仕方がなさそうに暁も立ち上がった所で。





どうやら、一緒に行ってくれるらしい。





ほっとしていれば。




「大丈夫よ、莉茉ちゃん。暁が貴方を離す訳がないもの。」



「っっ、」




立ち上がった暁を見て笑うお母さんにこっそり囁かれた私は、顔を赤らめるしかなかった。

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