第57話

<一夜零に関する追加情報>

●一夜零は、9歳の頃両親を不慮の交通事故で二人同時に失う。それからは、父方の祖母である一夜雪見(当時六十五歳)に引き取られ一緒に生活を始める。

※一夜雪見の旦那は、五年前(当時六十八歳)に病気で亡くなっている。零ともお正月の挨拶など顔を合わせている。

●祖母が生きてる時の彼は、友人想いでとても優しかった。けれど、祖母が亡くなってから時々、別人みたいに凶暴になり、口調もおかしくなる。

※一夜零が最初に野宿をした河川敷で、同じ様に野宿をしていた男性から貰った写真。

 服のどこに忍ばせていたのか、サバイバルナイフの刃の部分を壊れたカラクリ人形みたいに笑いながら舌で舐める。

それも一回でなく何回も。

 姿は、いつも一夜零本人なのに、まるで悪魔の仮面被った殺人鬼に見えたと。

●一夜零の中には、もう一人別の人格が存在します。(調査中で情報が少なくすみません。それも、こっちの彼は、あんまり表に出てこない)


<一夜零のもう一人の人格について> 

●ゼロ 男性 年齢不明

●見た目は、一夜零とまったく変わらない。けれど、いつも不気味な笑みを浮かべ、視線が合っていない。

 そして、いつもサバイバルナイフを服のどこかに忍ばせおり、それを取り出し、不気味な笑みを浮かべながら舌で舐める。

●彼(ゼロ)は、一夜零の裏人格なので滅多なことがない限り、表にでてくる事はない。

 けれど、零に危険が及ぶと判断した時や零の秘密に触れられそうになった時は、零を守る為に表に出てくる時もある。

●性格 零を守るためなら手段を択ばない、凶暴で猟奇的な性格。

 しかし、その相手が使えると判断したら、その相手の弱みを握り絶対逆らないようにしてから駒として使う。その一方零の事が大好きなので、彼の事を大切にしてくれる人に対しては優しい。

●一方、一夜零本人に関しては、自分の中にゼロという別人格が存在することすら気づいてもいないし、知りもしない。

 理由は、ゼロが表に出ている時は、完全に意識を占領し、零本人の意識は、精神の奥深くに居る為、外の情報は完全にシャットアウトされ、一切の情報を与えない。

 そして、ゼロ自身が零を余計な問題に巻き込みたくない為、自分の痕跡を完全に毎回消している。

そのため、いままで零がゼロの痕跡に気づいたことはまったくない。

●一夜零は、転校先の小学校でいじめを受けています。いじめの理由は、両親の事ではなく顔の事で。

 当時から女の子みたいな顔だったらしく、同級生の男子から「零子」と呼ばれたり、「女顔」と呼ばれていた。

 彼が転校して1カ月後、突然彼の事をいじめていた同級生の数人が同時転校しています。

 担任が発表した表向きの理由は、親の転勤。

 けど、学校が隠した本当の理由は、ラジオの生収録に出演した一夜零が、コーナーの一部企画で、いじめのことを打ちあけ、学校名と相手の名前は一切話さなかったけど、分かる人には、分かるメッセージを残したから。

 勿論、ラジオ局には、すぐこの放送を訊いた学校から苦情の連絡が入った。けれど、ラジオ局はその苦情を受け入れなかった。

 理由は、ラジオ局が放送したラジオのタイトルが「飛び入り大歓迎。今日の主役はそこの貴方。誰にも邪魔なんて許さない」だったから。

 あと、彼がいじめを告白する時、目にたっぷりの涙を溜め、それでも相手の名前を一切言わず、ひたすら自分が悪いと嘆き、なんで誰も助けてくれないんだろうと情に訴え、ラジオ局のスタッフ全員とリスナーを自分の味方につけていたったから。

※だから、この日を境にいじめもなくなり、学校全体が零に逆らわないようになった。

 もし、誰かが、彼をいじめたら教師が慌てて止めるようになった。

●これは俺の個人的な推測ですが、ゼロの人格は、彼の両親が亡くなったあの日にもう存在していたと思います。

この時、彼と一番仲が良かった友人の話では、零くんが時々、おかしなことを言ったり、自分の事を後ろから急に蹴ったり、けれどいつも決まって五分ぐらいで元に戻り、決まっていつも記憶をなくしている。

 けれど、この当時、その友人は、彼の事を本当の友達と想っていたらしく、行為すら友情として受け止めていたらしいです。

 当時の零くんは、周りに遠慮ばっかりして本当の気持ちをあまり言うタイプではなく、自分でなんでも抱え込むタイプで、唯一の友人にも本心を言わなかったらしいんです。

 けれど、祖母である一夜雪見亡くなって、彼との友情が突然、終わりを迎えた。

●数々の偶然が重なり、零の中でゼロの存在が大きくなり、ゼロが零に殺意を抱く人間を消し去る存在になってしまい、ゼロが少しでも悪を感じたら、存在を消す(但し本当の殺しはしない。しばらく表舞台から消えて貰うだけ)

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