第42話
『どうするんだよ。お前のせいだからなぁ。零くんが逃げだしたの』
『はぁ! 遼がいきなり呼びかけるからだろ』
探し物専門の探偵事務所 Black Bird 社長、黒鳥恭輔から会いたい子がいるから迎えに行くよう頼まれた一之瀬遼と月見坂伊吹。
彼らは、そこで働く探偵であり一緒に仕事をする相棒でもある。
どうして二人が迎えに行く事になったのか言うと、仕事を終え、社長の元に遼が報告書を届けに来た時、偶然、電話の内容を訊いてしまったから。それで、黒鳥が遼と彼の相棒である月見坂伊吹に一夜零の迎えを半ば強引に頼んだ。
『あぁもう。なんで逃げるかなぁ』
インカムに向かって叫びながら、自分の頭をクシャクシャにする遼。
『俺に訊くな、知らねえし』
遼のインカムに返事を返す。
伊吹も自分たちを見て逃げ出した零に、少しイラっとしている。
『もしかして、俺達の事、怖かったとか? 彼、まだ十三歳って黒鳥さん言ってたし』
『まさか。怖かったらうちに電話なんかしてくるか』
『そうだよねぇ。Black Birdは、普通の捜し物探偵事務所じゃなくて、裏専門の捜し物専門の探偵事務所だもんね』
『そんなのは、捕まえて聞けばいいんだよ。早く連れて行かないと俺たちがあいつに殺される』
『十三歳の足ならそんなに遠くにはいけないから1人で行ってくる。君が来ると逃げられそうだから』
『了解』
納得はしていないが、遼の提案を素直に受け入れた。
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