第3話 再スタート

第9話

拝啓 清水恭弥様

 恭弥。

 俺、もう、お前や智樹の元に生きて戻ってこらないと思うから。

 だから、最初に謝っておくゴメン。

 恭弥。

 お前には、なんやかんやで、いつも助けて貰ってばかりで、お返しもできないまま、あの世に行く俺をどうか許して欲しい。

 これまでのお返しは……来世? いやぁ? あの世でするよ?

 まぁ? それも、俺が天国に行けたらの話しだけど。

 まぁ? きっと、俺は100%、天国じゃなくて、地獄に行く事になると思うからあの世でのお返しは……無理かな? 

 それどころか、来世どころか、転生できるどうか解らないから、一生お返しは無理かもなぁ?

 恭弥。お前ぐらいは泣いてくれよ?

 お前……俺にとって唯一の家族なんだから。

 それに……俺の死、いやぁ? これから起きる事件は、きっと表沙汰にならないと思うから。

 だからこそ、最後ぐらいは、恭弥? お前の手であの世に葬って欲しい。

 そして、骨は一つ残さず、全て海に散骨して欲しい。

 俺の遺産は、全て恭弥? お前が受け取って欲しい。

 お前は、俺の唯一の家族だから。

 まぁ? 血縁上の親族は……だけど、俺にとっての家族は、恭弥、お前だけから。

 だから……恭弥。

 そして、お前には、お前の人生があるし、なんなら……お前には、あっちの世界に、もう関わって欲しくない。

 けど……

 9年前、どん底だった自分を救ってくれたのは……間違えなくあっちの世界だから。

 今まで、本当にありがとう。

 そして、ごめん。


_追伸_

 恭弥。お前が、もし、俺の死を受け入れて、再び前に進み始めたら、俺の代わりに、謝って欲しい人がいるんだ。

 勿論、無理にとは言わない。

 そして、その時に、そいつ宛に書いた手紙も一緒に渡して貰えないか?

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