君への想い

怒り

零。

 お前、今どこにいるんだよ!

 今日は、お前の二十歳誕生日だろう?

 誕生日プレゼント渡せないだろ?

 それに2年前、俺にお前こう言ったよな?

{俺、犯罪者だから。犯罪者が学校に通ったらヤバいだろう?}

 俺は、まさかこれが、お前との最後の言葉になるとは思わなかった。

 零、俺は、今でもお前のことを犯罪者だとは思ってない。

 俺たちと同じ……いやぁ? 

 もしかしたら俺たち以上に寂しがり屋で、常に自分の居場所を求めつづけていた寂しい男。

「だから、もし、世界中が、お前の事を犯罪者呼ばわりしても、俺だけは……」

 幸也は言葉を、切り上げるとポケットから。

「……お前がいなくちゃこんな……」

幸也の足下に写真が落ちる。

「……バカヤロウ。もう怒ってないから早く戻ってこい!」

自分と肩を組み笑顔で写る一夜零の写真に涙が落ちる。

※幸也は、知らない2年前に、もう零が亡くなっていることを。

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