第8話

ピンポーン。


清人の部屋のチャイムが鳴る。


清人はドアの覗き穴から外を見て


「愛美、トイレに行け!アイツだ。」


清人は私の靴を下駄箱にしまい、私がトイレに入るのを確認してから、ドアを開けた。


「愛美、来なかった?」


「は?」


「俺の彼女。さっき、階段を下りたとこでいなくなったから、ここに入ったとしか考えられなくて。」


「あ、けばけばしいメイクをした巨乳女なら来たけど、そいつのこと?」


「違うよ。ほっそりした、スタイルのいい、キレイな感じの。」


「さあ?

あ、あのけばけばしい女が言ってたけど、大分前に合コンで知り合ったんだって?」


合コン?航平、そんなとこ行ってたの?


「アイツの話はいいから。」


「彼女いないって言ってたのにって言ってたぞ。」


航平とは別れて正解だ。あんの、浮気男!


「普通、合コンで彼女いるって言わないだろ?」


「普通、彼女いたら、合コン行かないだろ?」


「人数合わせで仕方なく。」


「で、お持ち帰りして、その後何度もって?」


「好きなのは愛美だけだよ。アイツは身体だけ」


「彼女の身体は好みじゃなかったんだ?」


「愛美が一番だよ。って、もういいよ。お邪魔しました。」

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