第64話

廣田くんちの玄関前。


廣田くんが鍵を開けるのを見てる。


「どうぞ。」


「お邪魔します。」


上がってすぐ、


「なにか飲む?」


と訊かれた。


さっき、カフェで紅茶を飲んだばかりなのに、緊張のせいか、喉がカラカラで。


「冷たいものください。」


「ん。先部屋に行ってて。」


少しだけ見慣れた廣田くんの部屋。


思わずベッドに目がいく。


トントントンとリズミカルに階段を上がってくる足音。


「お茶でよかったかな?

喉乾いてるんでしょ?」


「ありがとう」


廣田くんが注いでくれたお茶をゴクゴク飲む。

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