第55話

「待ってて、何か飲み物持ってくるから。」


廣田くんが部屋から出た途端、その場にペタンと座り込む。


あたし、なんてこと言っちゃったんだろ。


恥ずかしい!


顔を両手で覆っていると、バッグからスマホのメッセージ着信音が聞こえてきた。


スマホを手に取り操作すると、メッセージは隆太先輩からで、


『翼のとこにいるの?』


と、書いてあった。


返事を打とうとすると、


「お待たせ。

アイスティー持ってきたよ。」


「ありがとう。」


あたしはグラスを受け取り、ストローでアイスティーを啜った。

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