第36話

そんな急に言われても……。


というか、なんで!?


「返事は急がないけど、それに、翼のこと好きなの知ってるけど、絶対、俺の方がいいよ、陽緋ちゃん。」


後ろを振り返りながら、にこっと笑う隆太先輩。




家の前まで送ってくれて、すぐに隆太先輩は、帰っていった。


「また明日の朝ね。」


と、言い残して。




夜、廣田くんから電話があった。


『りゅーちゃんと付き合うの?』


「それは……。」


『俺、絶対上野さんと別れないから。』


「でも、亜美先輩……。」


『亜美は、りゅーちゃんしか好きじゃないから。

りゅーちゃんを好きな亜美と付き合ったって、意味ない。』


だったら、亜美先輩を好きな廣田くんとあたしが付き合うのも、意味ないんじゃ?


それはいいの?

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