第75話

アタシも身体を黒石さんの方に向け、その身体にくっつく。


黒石さんは髪をすくのをやめ、アタシの背中に手を回した。


二人ともそのまま少し眠った。




「起きて。おーい。」


「ん?」


「8時だけど、まだ大丈夫?」


「もう30分だけ。」


「しょうがないなぁ。」




それから30分後、黒石さんに再び声をかけられる。


「じゃ、帰ろっかな。」


「またおいで。今度はひとりで。」


だからそれ、どういう意味?


「そんなこと言って、困るんじゃないの?」


「また誘うから。携帯交換しとこっか。」


アタシたちは携帯番号を交換した。


正和しか知らないアタシは、ワクワクドキドキと、ちょっぴりの背徳感とを感じながら、黒石さんへの恋の予感を感じていた。

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