第16話
駅から出ると、知己が待っていた。
「おはよ。」
「おはよ。」
駅からホテルへは約徒歩5分。
ホテルに入り、2階のレストランへ行く階段に向かっていると、階段近くの宿泊室専用のエレベーターのドアが開き、中から優心と、優心の腕に腕を絡ませたキレイな女性が出てきた。
知己もそれに気づいた。
「紗香…」
「知り合い?」
女性が優心に訊く。
「俺たち、同じ高校なので。」
知己が答え、
「紗香行こ。」
アタシの腰に手を回し、階段へと促した。
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